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写真とは「真ヲ写ス」こと

旧東独のツァイス

2004年5月撮影

 旧東独ペンタコン人民公社の製品で、焦点距離50mmと80mmのレンズで撮った写真です。ブランド名はカールツァイス・イエナで、ツァイスというブランドもまた東西分裂していた時期に製造されたものです。

 この時期、フイルムからデジタルへ雪崩を打ったように買い替えブームが起きたあとでしたから、フイルムカメラにしか使えない中古レンズの価格が下がりました。おかげで珍しいレンズが安く買えました。その頃、私は旧東独製のツァイス・イエナに着目、それをアダプタなしでつけられるベッサフレックスTMにポジフイルムを詰めて撮ってみたのが、この写真です。

 スキャンしないとPCに入れられないのがネックでした。仕上がりデータを大きくすると、微細な埃までスキャンしてしまいます。いちいち手作業でしたし、埃を画像データから除去するのもたいへんでした。デジタルの撮って出しに比べたら面倒なことこの上なく、活躍期間は長く続きませんでした。

 2016年にペンタックスK1が発売されました。旧東独製スクリューマウントのレンズを簡便なアダプタ一枚を介して装着できるので大枚はたいて購入、つけてみましたが……結果はイケマセン。約3640万画素のセンサーに対して、35mmフイルムを使用する前提で設計されたレンズでは解像力が及ばなかったのです。私は大きく落胆しました。

 やはり35mmフイルムでは印刷原稿にして雑誌の巻頭グラビア頁に載せるのは無理でしたし、写真展用で全紙に引き延ばすのも心許なく、そのような大事な写真は中判で撮っていたくらいですから、マア仕方のないことです。

 そのあと懲りずにNikon Dfを購入して、亡父が隠し持っていた1960年代に製造されたNikkorレンズをつけて撮ってみましたが、コチラは良好な結果が得られたので、現在もたまに使っています。センサーが1625万画素と控えめなのでアラが目立たず、バランスが良いのでしょうね。既に製造が打ち切られているDfは、大事に使っています。

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