sppc666のブログ

写真とは「真ヲ写ス」こと

セーラー服と古レンズ

2018年6月撮影

 

 亡父が隠し持っていたカメラ・レンズのなかに、80年代に製造されたと思しきものがいくつかありました。80年代といえば斉藤慶子宮崎美子大場久美子なんかの水着グラビアが週刊誌の巻頭を飾っていた時代です。まさにその時期が私の青春時代でした。その懐かしさを噛みしめたい、80年代のレンズなら、80年代アイドルっぽい写真が撮れないかと思って試してみたのが、このときです。

 その頃、標準レンズと呼ばれたのは50mm単焦点でした。まさにその標準レンズたる50mm f1.4で撮ったのが、1枚目と2枚目です。世評では「開放だと解像が甘い」ということですが、逆に言えば開放だとレンズの個性が出るんじゃないでしょうか? そういう狙いで、開放で撮りました。

 おつぎの3枚目と4枚目は80-200mmの望遠ズームです。製造年から考えれば極初期のAF機構がついていて、合焦は非常に遅いけれどもオートフォーカスです。絵柄の味わいは良いけれども動く被写体に対してAFは無いも同然で、ほとんど手動でピントを合わせました。

 どん尻に控えますのは、単焦点28mmです。このレンズは60年代製造ですので、一番の古株です。逆光でゴーストが入ってますが、それを「古いレンズの味」ということにして、そのまま御披露しております。

 モデルは、ほとんど撮影経験が無い人でした。旧型の白セーラー服、黒髪のボブカット、ほぼスッピンと、80年代テイストが出せるよう、御登場願ったのですが、中味はイマドキのJKといった性格でした。スカートの腹回りを折って丈を短くするのも現代風の着こなしですよね。その辺は仕方ないのです。

 

 モデルは素人なので「笑ってください」と注文したって撮影用スマイルは出来ません。なので撮りながらオヤジギャグを試みるのですが、この人の場合は反応が大きすぎました。箸を転がしたら、数分間腹を抱えて爆笑するくらいのお年頃です。とにかく、よく笑い、よく動く人でした。レンズのAFが遅いから、なるべくゆっくり動いて欲しいと注文したのに、不意に予測不能の動き方をされて難渋したのを思い出しました。マニュアルで撮ってたら、動く被写体にピントが合わせられませんからね。オマケの2枚みたいなピンボケを量産しました。