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写真とは「真ヲ写ス」こと

かつてあったフォトハイキング

2004年6月撮影

 昔々、某撮影会の一部門を任されていたとき、自分が企画した少人数撮影会で脇撮りした写真です。モデルさんの視線は、お客である他のカメラマンの方へ向いています。

 この「某撮影会」というのは、かつてタレントさんを撮っていた、そこそこ名の知れたカメラマンが主宰でした。RQなんかを呼んで囲みの撮影会をやっていて、大先生からモデルにポーズ指示が出たり、タレントさんを撮るのに使う大型機材をそのまま流用したり、ほかでは撮れない写真が撮れました。参加者各位が前回の撮影会で撮った成果を大先生に見てもらうと、その場で寸評がもらえるというオマケつきでした。

 あるとき、大先生は屋外の囲み撮影に、大きな問題があると気づきました。

 参加枠を5~7人くらいに絞っていましたが、そのうちの誰かがモデルの1.5mくらいに貼り付いて離れないことが多いのです。誰か一人でも寄っていくと、もはやヒキの画は撮れません。だから、ヨリばかりになってしまいます。全身を撮ろうと思ったら、広角で無理矢理に撮るほかないのです。距離を置いて中望遠で全身を撮るというのは、他の参加者を下がらせなければならず、それを参加者同士の話し合いで調整するのは無理だというわけです。

 きょうの投稿のラストは、モデルに貼り付くタイプの参加者がいたら撮れない絵面です。スタッフが声をかけて、粘着タイプの参加者を引き剥がしていたのです。担当するスタッフは憎まれ役だろうと覚悟しておりましたが、匿名掲示板で槍玉にされることがなかったので安堵したものです。

 私が担当した部門は「フォトハイキング」といって、屋外ロケで少人数限定の囲み撮影が基本でしたが、やがて自然発生のように列を作って順番に交代しながら撮る場面が多くなりました。それによってヒキの画も撮れる撮影会だったのです。

 大先生は「参加者の絵柄を変えてしまおう」と豪語していましたが、初心者から中級にかけて、撮りたがるのは顔アップ、バストアップです。「撮り位置はモデルと距離をとりましょう」と言ったところで、レンズを長いのに付け替えるだけでした。中級から上級へステップアップしたくらいでヒキの画も撮るようになるけれど、そういう人たちは思うままにモデルをコントロールできる個人撮影枠の撮影会に流れて行きます。少人数撮影会でヒキを撮る方向へ参加者を誘導するのは難しいことでした。