sppc666のブログ

写真とは「真ヲ写ス」こと

見頃を過ぎた薔薇園で

2007年6月撮影

 いまはなきアート系の電子書籍サイトRopLibで活動していたとき、たぬき写真工房の全盛期を支えた主力モデルの一人でした。いわゆる「不思議ちゃん」で、いろいろと感覚が普通じゃなかったです。

 あえて見頃を過ぎた薔薇園で撮影して欲しいというので、どういう狙いがあるのか、ワカラナイまま現場に来ました。梅雨の時期なので、降らないとしても曇っているだろうと思っていたら、晴れたり曇ったり。おまけに着ている服が真っ黒でしたから、露出決定は難渋を極めました。

 このモデルさんの頭のなかで出来た設定があって、それは聞いたけど、理解しがたいものでした。ともあれ、薔薇が真っ盛りではイメージに合わないとかでした。なまわかりで撮ったなかで、いちばん喜ばれたのは手だけ撮ったカットでした。

 棒立ちなのは、そういう設定のキャラクターを演じているのでしょう。普段の顔は、だいぶ違う人でした。フクロモモンガという生き物を、文字どおり袋に入れて連れ歩いていて、この薔薇園にも同行していました。

 こいつはサスケという名前でした。臆病な生き物なので最初は警戒されていましたが、次第に慣れてきました。飼い主である、このモデルさんの着替えの間など、少しのあいだ預かったりしましたが、脱走を図ったりして油断ならぬヤツでした。

 飼い主のお姉さん、素の表情はこんなです。齧歯目の小動物みたいな顔をしていました。いっそ、そういう表情で黒いロリータ服だったら、ミスマッチの面白さがあったかと思うのですが、モデルさんとの感覚の相違は、話合って埋められない場合もありました。この撮影も、そんな事例だったかと記憶しています。