sppc666のブログ

写真とは「真ヲ写ス」こと

トラブルにもめげない笑顔でした

2006年7月撮影

 この撮影は日帰りではありましたが、都内から特急電車とバスを乗り継いで片道4時間くらいかかる遠隔地での強行軍でした。

 いまはなき電子書籍サイトRopLibで出す写真集の撮影で、せっかく遠隔地へ行くのにもったいないので、モデルを二人呼んで二本分の撮影を一気に済ませてしまう段取りでしたが、一人が当日朝から連絡途絶になってしまいました。いわゆるバックレです。

 白ビキニのお姉さんと、バックレたモデルとは親友でした。

 ――そんなことするコじゃないのになぁ

 私もそう思いました。ただ、一つ思い当たることがありました。バックレたモデルを通じて申し入れられた撮影依頼を断ったことが原因かもしれません。撮影データを無償で提供して欲しい……くらいはまだ良いのですが、私が被写体に無断でデータを使用しないよう「撮影現場で記録媒体ごと引き渡せ」というのは言語道断だと思ったので拒絶したのでした。それ以来、バックレたモデルが撮影に遅刻したり、ドタキャンしたりするようになったのです。事情を聞くと、前夜に友人から「相談がある」と長電話があり寝ることができなかったのだということでした。どうやら、その電話の相手が、私に無茶な条件を向けてきた人物であったようです。

 このロケ撮影の日は、特急電車の座席指定券までとっていましたから、来ないなら仕方ないと、置いてきぼりを喰らわせたのでした。ようやく私宛にメールが届いたのは、現地に到着した頃でした。その言い分は「前夜に寝られなかったから」ということで、また人生相談につきあわされていたようです。そのあと、私は「撮影の予定を誰にも話してはいけない」と、厳しく申し渡したところ、撮影前夜を狙った人生相談の長電話はなくなりました。

 けれども、それで「めでたしめでたし」とはなりませんでした。

 バックレさんが、その友人とやらから「DVDの企画がある」と、他社からの仕事を斡旋されたのに応じたところ、年齢制限がつく類いの案件だったのです。私が制作していた写真集は全年齢対象でしたから、年齢制限がつくものに出演した人は起用しづらくなりました。

 そのバックレたモデルにとって、本当に信頼すべき友人は、この白ビキニのお姉さんだったはずです。そういう極めて苦々しい思いをしたロケ撮影でした。

 そんな不快な出来事が、現在進行形で起きていた状況でしたが、しっかり気持ちを切り替えて、笑顔を撮らせてくれたので、白ビキニのお姉さんには大いに救われました。