フルサイズの誘惑
2009年8月撮影
亡父の没後、遺品整理の際にNikonの何台かのボディとレンズが出てきました。そのなかで、まだ使えそうな望遠ズームがあったのを思いだし、やにわに使って見たくなって、フルサイズ機D700を買ったのでした。形見の望遠ズームは描写は良いけれどAFがのろくて使い勝手が悪いので、自分で買い増した50mm単焦点を多用していました。
当時メインで使っていたのはオリンパスのフォーサーズ機で、両者は被写界深度が違います。私は背景を殺さない主義なのでボケるレンズを偏愛する趣味は無いんですが、50mm f1.4は大昔、高校生の頃にフイルムカメラで長らく使っていた「標準レンズ」でしたから、ファインダーを覗いた瞬間、懐かしさで胸が張り裂けそうでした。そうそう、これくらいボケちまうんですよ。また、単焦点だからアップが欲しければ近寄るほかなく、入りきらなかったら後ずさるほかなく、その不自由さが狂おしいほど懐かしかったです。
この時期は、いまはなき電子書籍サイトRopLibの勢いが失速しはじめた頃でしたが、人気回復もあろうかと、まだまだ制作を続けておりました。そちらで主に用いていたのはオリンパスのフォーサーズ機でした。E-1からE-3が出たあたりがRopLibの最盛期で、E-5が出てからすぐ後にRopLibはサービス終了となりました。
こちらは同じ日、同じロケ地にて、フォーサーズ機で撮ったものです。水面の波模様が奥の方までクッキリしています。こういう方が私の好みです。ひさびさに味わった、フルサイズの誘惑は魅力的でしたが、結局はフォーサーズ機に戻ってきました。