sppc666のブログ

写真とは「真ヲ写ス」こと

スパルタ式の組み写真講座

2003年11月撮影

 この年の3月に開講した組み写真講座は、月に一度ずつ授業がありました。受講生は毎回7~8人くらいで、ごく短時間の座学のあと、午前と午後に撮影タイムがあり、受講生それぞれが一人3分程度の持ち時間でモデルを独占、他の受講生も脇撮りしても良いけれど目線を貰えないというルールで、撮影後ただちにパソコンで組み写真をつくり、二人のプロから講評を受け、朝から晩まで組み写真のために費やす一日でした。

 その講座が開講して半年を過ぎた頃から、ときおりハードルが高くなりました。

 この日の被写体は、事務所がスカウトしたてのド素人で、いわゆるモデル立ちという基本姿勢をとることすら出来ません。それを持ち時間3分で、どう料理するかというのが、このときの課題でした。

 単に「そこに立ってください」では棒立ちになってしまうので、歩いてもらいながら撮ったのが1枚目です。この時期のデジカメはISO感度をあげるとノイズが酷いことになりましたから、先にISO感度を固定し、手持ちで撮れるシャッタースピードの限界まで遅くしたうえで、絞れるだけ絞っています。それでピントを深くして、被写体が動いていてもピンボケにはならないようにしています。

 なにせスカウトされてから、この日が初めての撮影だというので、顔の表情なんかはつくれません。そこで2枚目は、レフ板で強めの光を起こして表情を変えたかのように見せています。

 3枚目は、他の受講生が撮っているときに、脇撮りしました。脇撮りで良い画が拾えると、あとが楽チンでしたねぇ。

 表情をつくれないなら、無表情を表情にしてしまえば良いと思って撮ったのが4枚目です。いま見ても、まあまあ誤魔化せているかと思います。

 この時期は、長患いしていた父が死んだすぐあとで、ようやく老人介護から解放された安堵と、このあと何をして生きていくかの不安とが、入り混じっていました。すでに40の坂を越えており、バブル崩壊後の不況下で就職は困難でした。介護しながら続けていた本業の仕事量が思ったほど増やせず、写真を仕事にするということも真剣に考えていたものです。いくらスパルタ式とはいえ、しょせん趣味の講座しか受けたことがないのでは、写真家は無理でした。

 私は本業が出版系のフリーランスなのですが、失敗が許されないんですよね。10回の大ヒットを重ねても、11回目が失敗だと、つぎはありません。たぶん、写真家の場合もフリーランスなら同じだろうと思います。おそろしい世界です。

 アマチュアの写真は、それこそ草野球みたいなもので、全部の打席でフルスイングしてしまいがちです。バントも犠牲フライも考えませんからね。それが組み写真になると場を繋ぐための捨てカットなんかも欲しくなり、必然的にそういうのも撮るようになりました。けれども、写真表現の奥深さを知ったことで、かえって私は萎縮してしまった部分があったかと思います。同人レベルで電子書籍を出すというのが関の山、そこから上に這い上がっていくことは叶いませんでした。

写真集通販の御案内

灯台守』―その名はミルクティー

 オンデマンド印刷(しまうまプリント)
 A5スクエアサイズ 巻きカバー表紙 全48頁 1000円(送料込)
 収益の一部は、保護された地域猫の医療費等に充当されます。

sppc666.hatenablog.com

柊京羽グラビア写真集『四季のいろどり』
 オンデマンド印刷(しまうまプリント)
 A4サイズ 巻きカバー表紙 全96頁 3000円(送料込)
いまはなき電子書籍サイトRopLibがサービス終了となってからは、商品と呼べるようなものを世に出しておりませんでしたが、昔とった杵柄とやら、久々にグラビア系に挑戦します

sppc666.hatenablog.com


 下記内容を記載して、TwitterからDMでお申し込みください。

・お求め商品のタイトルと、お求めの冊数
・お届け先(受け取ることが可能なら御自宅以外でも可)

たぬき (@RACOONDOG19) / Twitter

twitter.com

 DM受領後、折り返し送金先の口座をおしらせします。入金を確認後、おおよそ二週間程度で、印刷会社から直接のお届けとなります。