sppc666のブログ

写真とは「真ヲ写ス」こと

勝ち誇っていました

2017年7月撮影


 営利目的での撮影をしなくなってから、年齢や職業など、モデルの素性を訊かないようにしています。この人も未成年とは聞いていたけれど、中学生なのか高校生なのかは存じませんでした。万が一、児童誘拐を疑われては社会的信用を失いますから14時頃に解散したのを覚えています。このお嬢さんが悪いコじゃないのは、ネコが教えてくれました。

 このネコ、ずいぶん昔に出くわしております。

sppc666.hatenablog.com およそ11年ぶりの再会です。宿無しの地域猫としては、かなりの長寿じゃないでしょうか? このネコは臆病なヤツでした。撮影現場にネコが寄ってくることが多いので、モデルさんから「ネコ寄せ名人」とまで呼ばれた私が触れなかったくらいシャイなネコですが、このお嬢さんはアッサリ撫でてしまいました。たぶん触れませんよ、みたいに私が言ってすぐだったので、「えええええーっ?」てなもんでした。

 お嬢さん、勝ち誇った顔してますね。

 ほんの一時期だけ使っていたペンタックスK-1で撮りました。フォーサーズ機からの乗り換えでしたから、フルサイズ機の被写界深度を読めていませんね。大昔の写真格言で「迷ったらf8」と言ったものですが、咄嗟のスナップならf8で絞り優先くらいで楽に撮れば良いのかなと、後日見返して思いました。

曇りのちカンカン照り

2007年6月撮影


 いまはなきアート系の電子書籍サイトRopLibで「たぬき写真工房」という看板を掲げて活動していた頃の撮影です。夏に向けて、需要が見込まれた水着グラビアは、梅雨が明ける前から撮っていました。気温は水着でも過ごせるくらいでしたが水は冷たくて、真夏のようにパチャパチャとはいきません。

 海に入らず波打ち際で撮りましょう、ということで撮影をはじめたけれど、御機嫌はよろしくない様子でした。空模様は低め安定で、どんよりしていたけれど、ずっと降らずにいてくれました。そういう天候を反映したかのように、このモデルさんの表情も曇りがちでした。ならば、その表情に合わせた絵柄を考えるまでです。

 ところが、波打ち際で海藻を拾ったことで気分は激変したようです。なぜかゲラゲラ笑いながら、はしゃいでいました。気分は曇りからカンカン照りになったようでした。

 けっこう気心知れた人でしたが、気分が読みにくいところがあったせいか、撮影以外でのおつきあいは一切ありませんでした。モデルさんたちとグループで酒盛りしたり、釣り大会をやったり、撮影以外でも顔を合わせる機会はあったけど、この人とは一度もなかったなぁ。仲が悪いわけでも無かったのですが。

背景重視だった頃

2005年6月撮影

 エキゾチックな顔立ちですが、純国産の方です。いまはなきアート系電子書籍サイトRopLibでは、わが「たぬき写真工房」の主力モデルの一角を占めた人でした。手足の長いスラッとした姿から長身だと思われることが多かったけれど、実際には150cm代前半の、小柄な人でした。

 この時期は背景重視で露出決定していました。レフで光量不足を補ってはいるのですが、人物はアンダー気味になっています。心の師と仰ぐ人から「日昼シンクロ禁止令」が出ていたので、ストロボは使いません。使うと「楽すぎて勉強にならない」といった主旨で発せられたもので、数年間、愚直に守っていました。そのおかげで、レフで光を起こすことと、単体露出計の使い方を覚えました。

 ポートレートというと、大口径レンズで背景をぼかしたバストアップや顔アップばかりを撮る人もいます。ブログに類似カットをズラズラ並べ、見る側が飽きてしまうことを一切考えていないような人ですね。そういう人にかぎって「ポートレートの王道」みたいなことを言う。やってることは一つ覚えの背景ボケボケ。そういう風潮への反感から、背景重視に走っていたのです。

 いまは考えを改めておりまして「背景を殺さない」くらいですね。活かさず殺さず、また、臨機応変で撮り分けていくようにしております。

見頃を過ぎた薔薇園で

2007年6月撮影

 いまはなきアート系の電子書籍サイトRopLibで活動していたとき、たぬき写真工房の全盛期を支えた主力モデルの一人でした。いわゆる「不思議ちゃん」で、いろいろと感覚が普通じゃなかったです。

 あえて見頃を過ぎた薔薇園で撮影して欲しいというので、どういう狙いがあるのか、ワカラナイまま現場に来ました。梅雨の時期なので、降らないとしても曇っているだろうと思っていたら、晴れたり曇ったり。おまけに着ている服が真っ黒でしたから、露出決定は難渋を極めました。

 このモデルさんの頭のなかで出来た設定があって、それは聞いたけど、理解しがたいものでした。ともあれ、薔薇が真っ盛りではイメージに合わないとかでした。なまわかりで撮ったなかで、いちばん喜ばれたのは手だけ撮ったカットでした。

 棒立ちなのは、そういう設定のキャラクターを演じているのでしょう。普段の顔は、だいぶ違う人でした。フクロモモンガという生き物を、文字どおり袋に入れて連れ歩いていて、この薔薇園にも同行していました。

 こいつはサスケという名前でした。臆病な生き物なので最初は警戒されていましたが、次第に慣れてきました。飼い主である、このモデルさんの着替えの間など、少しのあいだ預かったりしましたが、脱走を図ったりして油断ならぬヤツでした。

 飼い主のお姉さん、素の表情はこんなです。齧歯目の小動物みたいな顔をしていました。いっそ、そういう表情で黒いロリータ服だったら、ミスマッチの面白さがあったかと思うのですが、モデルさんとの感覚の相違は、話合って埋められない場合もありました。この撮影も、そんな事例だったかと記憶しています。

測って撮る意味

2022年6月撮影

 

 きのう撮ったばかりのコスプレです。

 初顔合わせの方でした。単体露出計を使うカメラマンは初めてだそうです。珍しいものを見て「それ、なんですか?」と訊かれ、明るさを測る器械だというと「未来の道具だ」みたいに言ってました。実はその逆で、フイルム時代の遺物なのです。

 デジタル化したことにより、撮ったその場で背面液晶に撮影成果を表示させることができるため、試しにカメラ任せで1枚撮って、液晶で絵面を見ながら好みの方向へ調製するといったように、いまは、そういう撮り方をするのがアタリマエになりました。

 むかし、高価なフイルムを使う中判で撮る場合、まず単体露出計で明るさを測り、ポラロイドで試し撮りして、それから撮影でした。もちろんボラを1枚引くごとに馬鹿にならない経費がかかります。なので、間違えがないようにシッカリ測りました。

 デジタルになってから、必ずしも明るさを測らないでも撮れますが、測った方が狙いどおりに撮れます。たとえば、この投稿の3枚目、頭に載せたキツネのお面は、なにしろ黒いので、光を当てないと潰れてしまいます。人物の顔は射し込んでくる光とは逆方向を向いているのでレフで光を返していますが、そこを測って撮りました。マトモに光が当たったキツネ面が露出オーバー(真黒に見えない)になるのは折り込み済みです。

 レフを使わなかった4枚目は、陰になった背中と、光が当たっている顔とで、どれだけ明るさが違うかわかると思います。顔が向いた方向を測って撮っているので、背景の木立は、ほんの少し暗めになりました。それによって、人物の顔に目が行くように工夫したつもりです。

 カメラ任せではなく単体露出計で測って撮ることは、見る人に撮影意図を伝える手段ではありますが、あまりに表現が露骨だと良くないとも思っています。見る人に解釈の余地を残すくらいでないと、傲慢な表現だと思われるかもしれませんからね。これは露出云々だけでなく極端にピントを薄くした表現にも言えます。コレを見ろ、ココを見ろ、という具合に見る人に対して注文をつけているわけです。それは遠慮がちに表現しないと下品なんじゃないかと思っております。

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力を出し切って撮りました

2004年6月撮影

 いまは廃番になったフジフイルムのアスティアというポジフイルムを使い、設定等はいじらずそのままスキャンして、こんな色味になりました。

 きのうの投稿で触れました、かつて開催されていた「フォトハイキング」という少人数撮影会の開催候補地でのテスト撮りを兼ねて、中判6×6(ロクロク)での作品撮りでした。4枚目だけ、デジタルで撮ったのをスクエアにトリミングしていますので、少し色味が違っています。

 なにかコンテストに出す場合、この時期だと、すべて紙焼きで提出でした。スクエアフォーマットで撮っても、印画紙は正方形じゃないのでトリミングします。たとえば、こんな風にです。

 トリミング前は、右下の隅に置きレフが見えてしまっていますが、どうせ切ってしまうのだし、まあいいやと思って撮りました。2枚目以降は、こんな具合の紙焼きにしました。

 コンテストは、応募資格の制限にひっかかって失格でした。そのころ撮影会スタッフだったから「写真に関わることを生業としていない」というアマチュア規定に抵触したとのことでした。組み写真で応募できるコンテストは少ないので、つぎの応募先を探す努力もせずに諦めてしまったのを思い出しました。

 いま見返すと、この時期にしては水準が高く、かなりの力作です。いまは、こんなに力んで撮ることはなくなりましたが、もう一度、力を出し切るほどの撮影をしてみたいと思いました。

かつてあったフォトハイキング

2004年6月撮影

 昔々、某撮影会の一部門を任されていたとき、自分が企画した少人数撮影会で脇撮りした写真です。モデルさんの視線は、お客である他のカメラマンの方へ向いています。

 この「某撮影会」というのは、かつてタレントさんを撮っていた、そこそこ名の知れたカメラマンが主宰でした。RQなんかを呼んで囲みの撮影会をやっていて、大先生からモデルにポーズ指示が出たり、タレントさんを撮るのに使う大型機材をそのまま流用したり、ほかでは撮れない写真が撮れました。参加者各位が前回の撮影会で撮った成果を大先生に見てもらうと、その場で寸評がもらえるというオマケつきでした。

 あるとき、大先生は屋外の囲み撮影に、大きな問題があると気づきました。

 参加枠を5~7人くらいに絞っていましたが、そのうちの誰かがモデルの1.5mくらいに貼り付いて離れないことが多いのです。誰か一人でも寄っていくと、もはやヒキの画は撮れません。だから、ヨリばかりになってしまいます。全身を撮ろうと思ったら、広角で無理矢理に撮るほかないのです。距離を置いて中望遠で全身を撮るというのは、他の参加者を下がらせなければならず、それを参加者同士の話し合いで調整するのは無理だというわけです。

 きょうの投稿のラストは、モデルに貼り付くタイプの参加者がいたら撮れない絵面です。スタッフが声をかけて、粘着タイプの参加者を引き剥がしていたのです。担当するスタッフは憎まれ役だろうと覚悟しておりましたが、匿名掲示板で槍玉にされることがなかったので安堵したものです。

 私が担当した部門は「フォトハイキング」といって、屋外ロケで少人数限定の囲み撮影が基本でしたが、やがて自然発生のように列を作って順番に交代しながら撮る場面が多くなりました。それによってヒキの画も撮れる撮影会だったのです。

 大先生は「参加者の絵柄を変えてしまおう」と豪語していましたが、初心者から中級にかけて、撮りたがるのは顔アップ、バストアップです。「撮り位置はモデルと距離をとりましょう」と言ったところで、レンズを長いのに付け替えるだけでした。中級から上級へステップアップしたくらいでヒキの画も撮るようになるけれど、そういう人たちは思うままにモデルをコントロールできる個人撮影枠の撮影会に流れて行きます。少人数撮影会でヒキを撮る方向へ参加者を誘導するのは難しいことでした。