旧共産圏から来たレンズ
2003年9月撮影
旧東独ペンタコン人民公社の製品で、西側では「ツァイス・イエナ」と呼ばれていた東のツァイスで撮った写真です。ボディは当時最新型のフイルムカメラだったベッサフレックスです。デジタルの便利さに飽きて、不便さを感じてみたくなって買いました。そしてデジタル化の大波が押し寄せてきたせいで、デジタルのボディにつけることができないレンズが大量に中古市場に流れ、値崩れを起こしていました。もはやメーカーのサポートが期待できない旧東独のレンズなどは、なんら躊躇なく買える値段でした。
まず、ファインダーを覗いて見て、デジタルカメラのファインダーから見る世界とは別世界のように思えました。こんなにピントが薄いのか! アマチュアでも買えるデジタルのフルサイズ機Canon EOS 5Dが登場するのが2005年10月でした。この時期ですとデジタル一眼レフはAPS-Cでしたから、フイルムカメラの被写界深度は別世界のものに思えたのです。
ベッサフレックスはシンプルなカメラです。露出計を使用しないなら電池は不要で、それ以外すべて機械式です。評価測光だのなんだの、余計な機能はありません。レンズから入る光はオートフォーカスのために横取りされないので、ほぼ全部がファインダーに通されます。そのせいでファインダーは大きく見えます。ただし、ピントを合わせるのは手動です。露出は自分の頭で決定しなきゃなりません。銀塩の時代を知らない人にとっては、不便な事このうえないカメラでしょう。しかし、大昔のことを知っている私にとっては、懐かしさの方が優りました。
このとき使ったネガフィルムは、発色が私の好みでは無かったので、この撮影以後はポジばかりを使うようになりました。
単体露出計で測ってますからモデルさんは適正ですが、手前の日が当たった叢は白飛び気味のオーバーです。ネガのラチチュード(寛容度)に期待していたのですが、まあこんなに白くなったのでは失敗でしょう。この時期のデジタルはラチチュードが極端に狭かったので、この状況ではシャッターを押せませんでした。デジタルでは出来ないことがネガなら出来るかもしれない……という好奇心から撮った写真です。
フイルムですから現像に出して帰って来るまで仕上がりはわかりません。現像上がりを見てアチャーと思っても「あとの祭り」なところも含めてフイルムの醍醐味です。
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