sppc666のブログ

写真とは「真ヲ写ス」こと

組み写真の「組み立て」について考えます

2019年12月~2021年12月

 とある灯台で何度も見かけた地域猫です。いわゆる「カワイイ猫ちゃん」というキャラではありませんが、世界的な猫写真家である岩合光昭さんの被写体になり、地上波のテレビ番組にも何度か登場しています。
 

 某有名観光地で、猫を撮る人に配慮を求める看板を見た事があります。

 

「地名の記載や位置情報など場所がわかる形でのSNS公開は御遠慮ください」

 

 飼い猫じゃない猫は、守ってくれる人がいるとはかぎりません。残念ながら、虐待するために猫を捜して歩くような異常者がいます。撮った場所が特定できるようなら、ネットでの公開を避けて欲しいということです。もっともなことだと思います。

 この猫は、何度も地上波テレビに出演した有名猫で、地域の人々に見守られています。灯台が写っていると何処だかわかってしまうかもしれませんが、灯台をテリトリーにしていることは周知のことなので、この猫ばかりは例外だと私は考えています。

 

 ここからは、組み写真の話です。

 

 ここに5枚の写真を貼りましたが、撮影は一年越しで前後三回にわたっています。一度の撮影機会で、これだけ撮りきる腕前は、残念ながら私にはございません。およそ千枚のなかから、組むのに使えるのを拾い集めています。

 全体の「組み立て」は、序破急です。

 一枚ごとに目を瞠るほどの写真を撮れないから組み写真で何事かを伝えるようにしていますけれども、そんなに巧くもない写真を何枚もズラズラ並べても見る人に飽きられてしまいます。ブログだと一回の投稿で3枚から5枚くらいが適切かと思います。起承転結で4枚組みだとわかりやすいかと思いますが、今回は5枚です。

 私の基準ですと、組み写真の最小単位は3枚です。「はじめ」と「おわり」の間に、是非とも見せたいものを挟みます。見せたい写真が3枚あると、5枚組みです。

 学術論文なんかも序破急で……
   序論

   本論

      第一章

      第二章

      第三章

   結論

 こういう組み立てが多いのですが、

 序

 破の序

 破の破

 破の急

 急

 序破急と同じ骨格なのです。

 今回の5枚組みでは、ひなたぼっこしていた猫が、より陽の当たる場所を求めて移動する「流れ」をつくりました。

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 茂った草原からコンクリートの地面への場面転換は、遠景の灯台で繋いでいます。

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 これだけ工夫したら、私の陳腐な作風でも5枚くらいは飽きずに見てもらえるのではないかと期待しております。私には、たった一枚でドラマを感じさせ思わず見入ってしまうような強い写真を撮るだけの天性の才がないものですから、こうして組み写真に取り組んでいるのです。