あとから大きく加工改変するのはキライです
2005年10月撮影
憂鬱な雨模様を、そのまま表現したいと思いながら撮っていました。どんよりとした厚い雲を透かして入ってくる光は重々しい空気を醸し出しており、せっかく咲いている花の色は鮮やかさを失って見えました。ソレを撮るのです。
被写体は、かつてアマチュア劇団に在籍していたという人で、人前に立つことには慣れていましたし、声が通らないほど離れて立っても、舞台から客席に演じて見せるかのように、私からの指示がなくても様々にポーズをとれるのでした。このお姉さんのアドリブでの一人芝居を撮っていた感じです。お花畑でニッコリ……というのが似合う情景では無いことを、わかってくれていましたね。
この天気でしたから、撮ったままだと話にならないくらい彩度が低いです。
まったく色補正をしていないオリジナルは、こんな具合です。アンダー気味に撮らないと、ほとんど色がわからないくらいの状況でした。
さりとて、ここまで色補正してしまうと、雨の憂鬱さが消えてしまいます。どの程度なら正解か、ハッキリ答えを出せるものではないですから、いろいろ悩みます。
修行時代に、心の師と仰ぐ大先生から加工禁止令を出され「JPEGで撮ったまま」しか許されなかった時期がありました。いまも、その頃の感覚を引き摺っていて、あとから写真を大きく加工改変することはキライです。
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