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写真とは「真ヲ写ス」こと

デジタル黎明期

2002年6月撮影

 この時期は、デジタルカメラの黎明期でした。使用したのはオリンパスの「CAMEDIA C-2100 Ultra Zoom」という機種です。レンズは固定式で、光学10倍ズームを搭載していました。聞いたところではキヤノンが作ったレンズだったそうですが、なかなか使い勝手の良いレンズでした。センサーは1/2CCD総画素数211万画素で、ちょっとISO感度を上げると絵面がザラッとなりました。それよりなにより、ラチチュード(寛容度)の狭さが、いまの機種とは全然違います。寛容度とは、明るさ暗さを表現しきれず真っ白になってしまったり、真っ黒になってしまう、その振れ幅が広いか狭いかです。

 ネガフイルムの場合、およそ8段分の寛容度といわれます。写ルンです等、レンズ付きフイルムは、シャッタースピードも絞りも調節できないけれど、なにかしら写りはしますよね。あれは、フイルムの寛容度の大きさを頼っているのです。たとえば、日向と日陰では2段や3段明るさが違います。晴天下の屋外なら、日向で1/125sec f11くらいですけれども、日陰だと3段さがって1/125sec f4くらいです。それくらいの幅は、ネガフイルムなら許容してしまうのです。

 それに対して黎明期のデジカメのラチチュードは極端に狭いです。ここに掲げたラストの写真は日陰で撮っていますが、脚に木漏れ日があたった部分は白く飛んでいます。いまのデジカメなら、こうはなりません。できるなら、タイムマシンに乗って、現在の私の技量と、最新のカメラとで撮り直したいものです。

 このモデルは、当時ネットアイドルとして活動していた人です。まだブログがなかった頃、女性が自分自身をコンテンツとする個人サイトを運営、ランキングサイトで投票順位を競っていた時代です。ネットアイドルはサイトに掲載する写真が必要なので、無償で撮らせてくれる場合もありました。私は些少ながら、この人に謝礼を出していたように記憶しています。ほんのカタチばかりでしたが。

 どこで調達してきたのか、このセーラー服は着古したホンモノでした。こんな顔立ちで化粧気の無い人が着ているものですから、行き会う人からは父娘に見えたようです。その頃、私はアラフォー、この人は見た目がこんなでしたからね。私は援助交際を疑われるのがイヤで、撮影のときはいつもダサイ服を着ていましたから、なおのこと、そんな風に見えただろうと思います。あまりにダサイ恰好でしたから移動の際に離れて歩くモデルも少なからずいましたが、この人はわりと平気だったようです。

 被写体としては、たいへん相性が良い人でした。この時期、まだ組み写真の修行をはじめる前なんですが、ちゃんとバリエーションが撮れています。かわいらしい人なので正面向いてニッコリがまた似合いましたが、どう撮ってもかわいらしい、死角が無い人でした。このあと、私の個人サイトに写真を掲載したところ、グラビア撮影の有名プロから私にメールが来て「この人を撮るとき一緒に撮影させて欲しい」と、申し入れがありました。それが現実のこととなるとは、このときは思いもしませんでした。