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写真とは「真ヲ写ス」こと

新作写真集『スクエア』始動

2022年4月撮影

 いまは昔、私は2004年頃から数年間、RopLibという電子書籍サイトで活動していたことがありました。その頃から放置されたままの私の個人サイトに残骸があります。このサイトでは、どこをクリックしてもリンク切れですけどね。

 

たぬき写真工房

「夏草や兵どもが夢の跡」(芭蕉

 

 RopLibは再生方式が頁をめくる感覚で紙媒体に近く、出版業界の片隅に居る私にとって好ましく思えました。

 

 紙媒体で写真集を制作することは、私にとって見果てぬ夢でした。プロであっても写真集を出版する位置にいるカメラマンはごく一部ですから。

 

 たとえば、グラビアアイドルの水着写真集は80~100頁で3000円くらいです。それが最低でも1万部は刷られます。少なくとも数千万円の資金が動く案件となりますし、増刷となれば億単位に膨れあがります。とうてい個人の資金力ではどうにもなりません。オンデマンドで一冊だけつくるとすると数万円で済みますが、「どうぞ御笑覧ください」と献呈するにも「どうぞお買い上げください」とお願いするにも、元値が高すぎます。

 

 電子書籍は写真集を出したかった私にとって、最良の選択でした。RopLibは審査に通りさえすれば、アマチュアでも無名でも写真集を出せました。数年間、私は数多くの電子版写真集を出しましたが、乱立する電子書籍のなかで生き残ることは難しく、2010年末をもってRopLibはサービス終了となりました。閲覧用のプログラムをダウンロードすることも出来なくなり、パソコンを買い替えたあとは、影も形もなくなってしまったのでした。

 

 かつて2013~14年頃にかけて、文庫本サイズのミニ写真集を何タイトルか制作したことがあります。紙媒体には違いないけれど「写真集を出した」という手応えは感じられませんでした。

 

 いまは低廉な価格で大きなサイズのフォトブックが作れます。

しまうまプリント|高品質で安いネットプリント専門店

 

 私は、念願だった紙の写真集を出そうと思い立ち、昨年、テストケースとして小さいサイズの猫の写真集を出しました。極めて少数の地域限定販売でしたが頒布も出来て、「やればできる」ことがわかりました。モデルの猫に見て貰うのも、電子書籍では難しいけれど紙なら簡単でした。

 

 そんなわけで、大きなサイズの写真集を作るつもりです。どうやって頒布するかは今後の課題なのですが、とにかく作ります。もしかしたら自分の書棚に置くだけかもしれないけれど、それでもつくります。

 

 いま制作中なのは2本あって、そのうちの一つが『スクエア』(仮題)です。壊れかけの中判6×6カメラが主人公で、ヒロインは、たかはしまいサンです。

 

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 あと何回も撮影しないと完成しないので、一年や二年かかるかもしれませんが、必ず完成させたいと思っています。