台無し系を狙っていました
2007年6月撮影
かつて存在したアート系の電子書籍サイトRopLibが最盛期だった頃、夏場に向けての撮影です。梅雨の晴れ間の海は風が冷たくて、さぞやビキニ姿になるのは辛かったろうと思います。
なにぶん、徒手空拳の個人が後ろ盾も無くやっている撮影でしたから、現場にいるのはモデルだけでした。たまにプロの撮影クルーと行き会うことがありましたが、メイクさん、スタイリストさん、マネージャーさん、アシスタントさんなど、5~6人が動いているのが普通でしたから、格の違いを感じたものです。有望株のタレント候補生なら、沖縄ロケにでも行くでしょうから、首都圏の海岸で撮影を済ませるのは、まだまだ駆けだしの人だったろうと思いますが、それにしても現場のクルーがカメラマン一人だけなんてことは無いのでした。
RopLibでは、名だたる本職のカメラマンが、名の通ったタレントさんの水着写真集を販売したりしていましたから、それと同じサイトに自分の写真集が掲載されるのは痛快でした。いまやRopLibはサービス終了してしまい、その頃に買った電子書籍を再生することさえ不可能になっています。儚い夢でした。
その当時、私は「たぬき写真工房」というブランドで、素人カメラマンである私が撮った、素人モデルの水着グラビアを出して、RopLibのなかではそこそこ人気が出た作品もあり、ちょっと話題になった作品もありました。
タレントさんにとって、グラビアアイドルは通過点です。グラビアで人気が出たあとは、たいがい歌手や女優になって、そちらが本業になるものです。
素人モデルの場合、事情は様々ですが、電子書籍のグラビア写真集を到達点とする人もいます。RopLibで有名タレントさんの写真集と自分の写真集とが(別枠でしたが)同時に掲載されたことが「若き日の想い出になった」といって満足した人もいました。
素人グラビアに出演するなかには、水着写真集を踏み台に他方面での活躍を図る人もいました。その動機付けはタレントさんの場合と同じですね。違うのは、素人モデルはセルフプロデュースだという部分です。清楚系御嬢様とか、溌剌系ボーイッシュとか、そういうキャラ付けを彼女らが自分自身でやっているのです。
今回の投稿で御披露したモデルさんは、台無し系ハチャメチャという方向で売り出せたら良いなと私は目論んでいたのですが、このお姉さんは、ちっとも地金を隠そうとしない人なので、ちょっとアテがはずれました。カメラの前で可愛く見せることができる変身時間は極めて短く、地金をまる出しにして悪ふざけする時間の方が圧倒的に長い人でした。海で撮影しているとき、カメラに海水をぶっかけようとしたのがバレて、ゲラゲラ笑っていたのは、いまも鮮烈に記憶しております。つまり、「美人が台無し」ではなく、無茶苦茶やるコが一瞬だけ可愛らしさを見せる……という路線が正解だったのかもしれません。
この人とは、もう10年以上も顔を合わせておりませんが、いまも元気な様子です。