続報・仮題『スクエア』いろいろ検討中
およそ50年前に製造された中判6×6(ロクロク)が主人公となる、写真で綴るストーリー、仮題『スクエア』について、いろいろ検討しております。
劇中で50年前に撮影した写真を登場させます。それならばと、50年前のカメラとレンズで撮ってみたのがコレです。フイルムはコダックのE100で、発色が良すぎるのはスキャンしてデジタル化したうえで加工しようかと考えていましたけれども、それにしてもキレイすぎるのです。ロクロクといえども解像力では現在のデジタル一眼に及ばないはずですが、PC画面で見る程度だと遜色ありませんし、なにしろ「古色蒼然」とまで行かないのでした。
コレは、出演者たかはしまいさんに、ロクロクで撮っていただいた写真です。フイルムを入れるのに手間取ったせいで派手に光線漏れしちゃってますが、無事な部分だけ見てください。色合いといい、ボケ味といい、古色が出ています。
コレも、たかはしさんの撮影です。元のフイルムをスキャンして、そのまま無加工なんですが、こんな感じで撮れるなら「絶対いける」と思って「50年前にプリントされた、女学生の写真」を狙っていたのが、この投稿の1枚目なのです。
同じ場面をデジタルで撮ったのがコレです。アタリマエですが、無加工だと古い写真には見えません。
周辺光量を落としたのと、褪色した感じに加工したうえで……
モノクロにすると、古写真らしくなりました。1970年代にはミニスカートが流行していましたが、当時の女学生のスカートは膝関節に届くくらいじゃなかったかと記憶しております。この50年前の女学生が膝上丈のスカートを穿いているのは劇中で理由が示されます。カメラの前で脚を出すのには事情があったのです。
事実を整理すると……
たかはしさんに、むかしの機材で撮ってもらったら古色が出た。
それなら、たかはしさんを、むかしの機材で撮ったら古色が出るはず。
真っ当な撮り方をしたら、案外と普通に写ってしまった。
まあ、しかし、デジタルで撮った分のオリジナルと比べると、かなり雰囲気が違います。古色が出ることを期待しすぎだったのかもしれません。このあと、いろいろ検討して、作品に活かします。
仮題『スクエア』に関連した投稿
オマカセで撮れました 中編
2022年5月撮影
twitter.com
https://twitter.com/1day_photo
撮影会は初参加、はじめてのスタジオ、モデルは二度目という、わりと不馴れな状況で撮りました。一枠60分でしたが歩留まりが良く、三つの組み写真をつくって、まだまだもう一組つくれそうなくらいです。
前編が屋内の窓辺と安楽椅子でしたので、中編は屋上で撮った写真で組みました。
白い服で白壁の前という、露出決定が難しい場面でしたので単体露出計が大活躍でした。背景の白壁は、煉瓦積みに漆喰を塗り重ねた……ように見せている凝った造りだったので、壁面のディティールまでシッカリ撮った方が良いかと思って、1枚目は絞って撮りました。2枚目以降は、壁に近寄ると、とこどころ塗装が剥げ落ちていたり、くすんでいたり、壁面が自己主張してしまうので、ぼかしています。
黙って居ても、いろいろなポーズを変えてくれるモデルさんでしたから、テンポよく撮れました。また、機会があれば撮らせていただきたい方です。
前編はコチラ
sppc666.hatenablog.comこのほかに、ゆいさんを撮ったのはコチラ
sppc666.hatenablog.comついでながら、単体露出計について
標準レンズ一本勝負
2018年6月撮影
かつて「標準レンズ」と呼ばれた、Nikkor-S Auto 55mm f1.2 (1965) を Nikon Df につけて撮りました。使用したレンズは、この一本のみです。もちろんピント合わせは手動になります。ピントは極薄なので、老眼の私にとって、たいへんシビアでした。
ここまで背景をボケボケにする表現は、あまりやりません。このときは、発売後5年を経ていたNikon Df を、いまさらながら購入したばかりだったので、この古いレンズをデジタル機につけて使用するのもはじめてで、絞り開放で試し撮りしようと思っていたのです。
老眼にはキツイ撮影でしたが、フルサイズ機と明るいレンズの組み合わせで、ここまでのボケ味になることがわかったのは収穫でした。
スクエアをトリミングする場合
2015年5月撮影
スクエア(正方形)で撮った写真は、印画紙にプリントするとか、雑誌の印刷原稿にするとか、紙の上に載せ替えるときトリミングしなきゃなりません。縦長に使うのか、横長に使うのか、意識して撮らないと、どうにも切りようが無い構図になります。
まあ、しかし、ブログに載せる写真ならトリミングは必要ありません。インスタグラムなどは、むしろ正方形のままが良いと思います。
ある一時期、ホルガという中判トイカメラが流行りました。アレも6×6(ロクロク)のスクエアでしたから、正方形に切り取るカメラがあることを世間に知らしめることができました。
ためしに、上に載せたスクエア写真を元にトリミングしたのが以下の写真です。
まあまあの構図になりましたが、全体として陳腐な印象は否めません。やはりスクエアのままが、私の好みです。
交渉してダメな場合もございます
2005年3月撮影
不思議なことに動物と乳幼児に懐かれることが多い私ですが、寄ってきたネコをモデルさんと一緒に撮ろうということになると、そのネコがモデルさんと折り合えるかどうかが問題です。ネコが難色を示した場合、粘り強く交渉を続けなければなりません。
ネコとヒトとの間にも相性ということがあって、ダメなときはダメなんですよね。ネコにだって、そのときの気分てぇものがありますし。
こいつは中年オヤジ猫でした。ニンゲンだったら若い女性にいじられて悪い気はしないだろうに、ずっと「気安く触るんじゃねぇ」みたいな態度でした。逃げてしまわないのは、私が必死で宥めていたからです。
結局のところ、現場にとどまってくれましたが、こんな不貞腐れた表情をしたままでモデルさんに抱かれたり膝に乗ったりするのは拒否されてしまいました。
このモデルさんは失敗から何かを学んだのでしょう、つぎに同じネコと出くわしたときには出演交渉に成功しました。
旧東独のツァイス
2004年5月撮影
旧東独ペンタコン人民公社の製品で、焦点距離50mmと80mmのレンズで撮った写真です。ブランド名はカールツァイス・イエナで、ツァイスというブランドもまた東西分裂していた時期に製造されたものです。
この時期、フイルムからデジタルへ雪崩を打ったように買い替えブームが起きたあとでしたから、フイルムカメラにしか使えない中古レンズの価格が下がりました。おかげで珍しいレンズが安く買えました。その頃、私は旧東独製のツァイス・イエナに着目、それをアダプタなしでつけられるベッサフレックスTMにポジフイルムを詰めて撮ってみたのが、この写真です。
スキャンしないとPCに入れられないのがネックでした。仕上がりデータを大きくすると、微細な埃までスキャンしてしまいます。いちいち手作業でしたし、埃を画像データから除去するのもたいへんでした。デジタルの撮って出しに比べたら面倒なことこの上なく、活躍期間は長く続きませんでした。
2016年にペンタックスK1が発売されました。旧東独製スクリューマウントのレンズを簡便なアダプタ一枚を介して装着できるので大枚はたいて購入、つけてみましたが……結果はイケマセン。約3640万画素のセンサーに対して、35mmフイルムを使用する前提で設計されたレンズでは解像力が及ばなかったのです。私は大きく落胆しました。
やはり35mmフイルムでは印刷原稿にして雑誌の巻頭グラビア頁に載せるのは無理でしたし、写真展用で全紙に引き延ばすのも心許なく、そのような大事な写真は中判で撮っていたくらいですから、マア仕方のないことです。
そのあと懲りずにNikon Dfを購入して、亡父が隠し持っていた1960年代に製造されたNikkorレンズをつけて撮ってみましたが、コチラは良好な結果が得られたので、現在もたまに使っています。センサーが1625万画素と控えめなのでアラが目立たず、バランスが良いのでしょうね。既に製造が打ち切られているDfは、大事に使っています。
オマカセで撮れました 前編
2022年5月撮影
https://twitter.com/1day_photo
今回が初参加の撮影会で、初めて行くハウススタジオだったし、勝手がわからないまま撮りました。モデルはGW期間中に屋外で撮ったことがある、ゆいさんで、二度目でした。
スタジオは共有ですが、60分間モデル一人を独占できる撮影会です。照明器具はスタジオ備え付けのを使えば良いかと思って手ぶらで行きましたが、窓から入る自然光だけで充分に撮れました。
どういう画を好むのか、まずは一枚撮って見せてみました。顔に影を乗せたり、鼻筋のトップライトを白飛びさせたり、そういうのを好んで撮りますよということを示してから、いちいち指示しないでもポーズをとってくれました。時間が限られた撮影会で、コトバによらず提案してもらえるのは有り難いです。
わずか60分でしたが、もうあと二組くらいは組み写真が作れるくらい、バリエーション豊かに撮れました。近いうちに御披露しましょう。
前に屋外で撮ったのはコチラです。